<吉岡愛恵さんプロフィール>1996年7月14日北海道札幌市生まれ。札幌琴似工業高校を経て、トヨタ自動車北海道株式会社に入社。2023年にはTOYOTA Rally Challenge Cup 蘭越ニセコ大会OPENクラスで4位、同年JFA北海道ラリー「Rally EAST-IBURI2023」に出場。2024年はTOYOTA GAZOO Racing Rally Challengeの蘭越大会と石狩大会に出場し、石狩大会OPENクラスで2位を獲得。ラリー競技において着実に実績を積んでいる。女性特有のココロとカラダの不調について考えようアスリートインタビ ュートヨタ自動車北海道吉 岡 愛 恵 さん コ・ドライバーの主な役割は、ラリー中にドライバーへ正確なコース情報を伝えることです。事前の下見走行で、右カーブか左カーブか、カーブの角度や路面の状態などをドライバーと確認しながらノートに記録し、競技中は、それを的確なタイミングで読み上げるナビゲーター役を担います。 特別にラリーのためだけというわけではありませんが、よく眠り、しっかり食べることを大切にしています。体力も使いますし、集中力を保つためには基本的な生活リズムが重要だと感じています。 私はイライラしたり、気分が落ち込んだりすることがあります。そうした時は、状況に応じて適切に周りとの距離を取りながら、自分なりに気持ちを落ち着かせる工夫をしています。 今はSNSなどを使えば、言葉にしづらいことも吐き出せる場があると思います。共感してくれる人が見つかるだけでも、気持ちが少し楽になることもありますよね。でも結局、誰にでも話せることではないので、自分が本音を話せる人に少しでも気持ちを共有できたら、それだけでも違うのかなと思います。 それから、生理休暇のような制度についても、もう少し使いやすくなったらいいなと感じます。たとえば、「今日は体調が悪いので休みます」と年休を取っておいて、あとから生理休暇に変更できる仕組みがあれば、言い出しにくさも少し軽減されるのではないでしょうか。 私自身は、「周りに理解してほしい」というより、「今は放っておいてくれた方が助かる」というタイプです。でも、人によっては分かってほしいと思う方もいるはず。だからこそ、男女問わず、生理に関する知識や女性の体の変化について、もっと正しく理解される社会になればいいなと思います。 出身は札幌で、高校は工業高校でした。就職活動の際、担任の先生から「トヨタと地元の有力企業、どちらにするか」と相談され、有名で地域に馴染みがあり、安定した環境だと感じたトヨタ自動車北海道に入社し、苫小牧で勤務を始めました。 最初の数年間はラリーとは無縁で、ケース・ハウジング部門のGSLラインに配属され、バリ取りや製品検査を担当していました。転機が訪れたのは、社会人になって数年後。5年ほどアクアに乗っていたのですが、トヨタ86に乗り換えたことをきっかけに、職場の上司である佐藤部長(監督兼ドライバー)から「ラリー、やってみないか」と声をかけられました。トヨタ86に乗っているから車に興味があるだろうと想像してのことだと思います(笑)。 当時はラリーやコ・ドライバーの役割もよく分からず、「とりあえず考えます」と答えました。最初は戸惑いもありましたが、何度か誘ってもらううちに気持ちが固まり、「やってみます」と決心しました。ほとんど知識がなかったものの、せっかくの機会なので挑戦することにしました。 次のページどのようなきっかけでコ・ド ラ イ バ ー と い う道を歩むことになったのでしょうか。女性ならではの体調の波に、どのように向き合っていますか。同じように体調の波や不調に悩んでいる女性や周囲の人に、伝えたいことはありますか。コ・ドライバーの役割についてお聞かせください。コ・ドライバーとして健康管理で普段から心がけていることはありますか。
元のページ ../index.html#3