PoPo2025秋号
15/28

と  14 PoPo健 康 推 進メ ンバーのみ な さ ん語ってくれた方代表取締役社長説 田 公 人 さん 私たちが進めている健康経営の根幹には、会社として目指すインし、自分の働き方に責任を持つ」という考え方です。会社は成熟したプロ集団らしく、一人ひとりに裁量を与え、自分で考え、能動的に動いてほしいと考えています。これは単に仕事のやり方だけでなく、健康管理も自分ごととして主体的に取り組んでほしいという思いにつながっています。 もう一つは、自分自身はもちろん、身内にも誇れる会社づくりを目指すことです。従業員数が約200人という規模ですので、一人ひとりの声に丁寧に耳を傾けることが可能です。表面的な健康施策をただ真似るのではなく、本当に従業員が求め、望んでいることに応えることを重視しています。そのために、毎月実施している“ショートサーベイ”で日常的な心身の状態を把握し、年2回の“ディープサーベイ”では組織の状態を包括的に確認しています。さらに、役員と従業員が定期的に面談を行い、健康不安や家族の状況なども含めて対話を重ねています。こうしたリアルな声をもとに健康施策を練り上げることで、従業員一人ひとりが自律し、身内にも誇れる会社づくりにつながっていると感じています。 基本的に、私たちの健康施策は、従業員の声をもとに検討・実施しています。たとえば、慢性的に「睡眠に関して何かしらの悩みがある」と答える従業員が多く、その声を受けて睡眠セミナーを実施しました。睡眠の「質」だけでなく、「量」や「生活リズム」など多岐にわたる課題が見られ、またトヨタ健保から提供された分析レポートでも、当社の従業員に睡眠に関する課題が顕著に現れていたため、これはきちんと取り組むべきテーマだと考えたのです。 食生活に関しては、「社食が欲しい」といった従業員の声を受けて、置き型の社食サービスを導入しました。会社としても、「コンビニ食が続く」「昼食を抜いてしまう」といった状況を課題と捉え、複数のサービスを比較検討したうえで、従業員のニーズに最も合うものを選びました。昼食としての利用はもちろん、家族用に持ち帰ったり、子どものお弁当の一品にしたり、一人暮らしの夕食代わりにするなど、さまざまな使い方がされており、従業員の生活に自然に溶け込んでいます。LOVOT もう一つユニークな取り組みとして、社内にコミュニケーションロボット「LOVOT」を導入しました。これも従業員からの発案で、ストレス軽減や癒しの効果が期待できると考え、試験的に導入したものです。導入後、想像以上に親しまれ、今では「LOVOTがいると安心する」「話しかけることで気がほぐれる」といった声も寄せられています。 さらに、「保健だより」として健康情報も社内イントラで発信しています。単なる知識の羅列ではなく、「なぜ二次検診に行かない人が多いのか」など現場の声からテーマを設定し、読んだ人が納得できる内容を心がけています。社内の有識者の知見も活かしながら、データに基づいた信頼性の高い情報を発信しています。 従業員の声こそがすべてです。自分たちの声が届き、「まずはやってみよう」という姿勢で行動に移すことで、従業員の主体性が育ち、成熟したプロフェッショナルへと成長します。こうした風通しの良い社内文化が社員に安心感をもたらし、精神的な健康の基盤となります。そして、「ここで働けてよかった」と心から感じられる環境こそが、健康経営の本質であり、従業員の心身の健康を支える最も大切な土台になっているのだと強く信じています。 愛知県名古屋市 従業員数178名 未来を見据えた健康経営のビジョンについてお聞かせください。健康経営を推進する上で、会社として大切にしていることは何ですか。2つの姿があります。一つは「自らのワークライフを自らがデザ具体的な取り組みについて教えてください。社員の声をカタチにする、他にはない健康経営スタイルへ株式会社トヨタアカウンティングサービス

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る