PoPo2025秋号
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と  11 PoPo 健 康 推 進メ ンバーのみ な さ ん教えて!語ってくれた方代表取締役 取締役社長高 橋 慎 弥 さん 「健康第一」という意識は持っていたものの、実際には日々の業務や目の前の課題に追われ、自分の健康について深く考える余裕はあまりありませんでした。転機になったのは、ロシア赴任中の経験です。生産事業撤退に伴い比較的時間に余裕ができたことから、毎日ジムに通い、食生活も見直すようになりました。気づけば10kg減量し、体が軽くなったことで気持ちも前向きになりました。生産現場では、フットワークよく動けることがそのまま仕事の質や安全にも直結します。だからこそ、健康でいることの価値を改めて実感しました。 北海道へ赴任後、この体験をもとに会社で「健康戦略MAP」に取り組み始めました。これは、従業員の健康課題とその要因、そして有効な施策との関係を整理し、PDCAで継続的に改善していく仕組みです。「健康って自分にとって大事だな」と気づく“きっかけ”を提供し、行動につなげてもらうことが狙いです。従業員一人ひとりが自分ごととして健康に向き合い、その意識が行動として会社全体に広がっていけばうれしいですね。 健康施策は「健康管理」「きっかけづくり」「職場での取り組み」の3つを柱にしていますが、なかでも力を入れているのが、健康アプリを使った「健康チャレンジ8」という活動です。これは、普段の生活の中で“今より一つでも多く”健康的な習慣を増やしていこうという取り組みです。すでに実践できている人には、そこからさらに“より良い状態”を目指してもらう。つまり、「健康レベルアップ」にチャレンジしてもらうのが狙いです。 具体的には、適正体重・朝食・間食・飲酒・運動・禁煙・睡眠・ストレスの8つのテーマに沿って、アプリで記録やチェックをしていきます。毎日の生活の中で、自分の行動を少しずつ見直すきっかけになればと考えています。 ズバリ喫煙率の低減です。北海道は全国的にも喫煙率が高く、当社も以前は従業員の約7割が喫煙者でした。長年の取り組上しています。独自の工夫で取り組んでいる施策はありますか。未来を見据えた健康経営のビジョンについてお聞かせください。みにより、現在は約34%まで下がりましたが、依然として全国平均より高いのが課題です。2020年に敷地内を全面禁煙としましたが、その影響で会社の外での喫煙マナーの問題が新たに浮 ただ、喫煙は法律で禁じられているわけではなく、最終的には本人の意識をどう変えるかに尽きます。「自分は大丈夫」と思ってしまいがちな分、“自分ごと化”が難しい。だからこそ、粘り強く、地道に取り組んでいくしかないと感じています。 また、BMIに課題があるため、2025年からは「健康戦略MAP」に基づいて食事と運動に重点を置いた活動を進めていきます。 食生活改善のきっかけづくりとして、「ベジ食べるキャンペーン」を実施しました。食堂でサラダの半額提供と野菜摂取量を測定する「ベジチェック」を組み合わせ、楽しみながら、自分の健康状態を知ることができました。参加者のアンケートでは、約6割が「野菜を摂る習慣が増えた」と回答し、確かな手応えを感じています。 また、健康づくりへの理解と知識を深めてもらうために「健康取り組みタイム」と題して月1回、保健師、管理栄養士やスタッフによる手作り健康動画も配信し、職場単位で全員で観る時間を作っています。産業医が登場したり、毎月テーマを変えることで、従業員が飽きずに健康に向き合えるよう工夫しています。 目指すのは、「自分の健康は自分で守る」という意識を、従業員一人ひとりが自然と持てる会社です。言葉にすればシンプルですが、実際には気づきや習慣の積み重ねが必要です。そのために私たちは、「健康戦略MAP」を軸に、行動のきっかけづくりから、成功体験を積んでもらうことを大切にしています。 たとえば、少し食生活を見直すことで体が軽くなったり、禁煙によって呼吸が楽になったり。そうした小さな実感が、人を前向きに変える大きな力になります。 健康は「押しつけ」では続きません。だからこそ、自ら気づき、行動し、変化を感じる。その循環を支えるのが会社の役割です。今後もPDCAを回しながら、従業員の健康づくりを継続的にサポートしていきたいと考えています。事業所からつなげ る健 康の輪!健康経営に取り組むきっかけを教えてください。主な取り組みを教えてください。健康チャレンジ8において重点課題はなんですか?職場の健康づくり健康は“自分から始まる”気づきをつくる職場トヨタ自動車北海道株式会社北海道苫小牧市 従業員数3,489名

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