9 PoPo プロの走りは、体づくりから佐々木 実家の農家を継ぐつもりで農業の専門学校に通っていたんですが、冬の農閑期に「何か働こう」と思って、探して見つけたのが士別試験場の冬季アルバイトでした。着氷試験のサポートやコース整備、融雪路面の再現などの作業をしました。その後、試験場でテストドライバーの募集があり、「やってみないか」と声をかけられて応募することに。当時は車にのめり込んでいたわけではなく、むしろトラクターが専門で、畑をどう耕すか、その腕を磨いていましたから(笑)。松原 僕は小さい頃から乗り物が大好きで、三輪車から自転車、バイクと自然にステップアップしてきました。トヨタに入社後、寒冷地での耐久試験や運動性能評価に関わることになり、それがテストドライバーとしてのキャリアの始まりです。製品開発に直結する仕事でもあり、大きなやりがいを感じました。今もその経験を活かし、運動性能の評価や製品開発の業務を中心に担当しています。佐々木 私は主に冬場の業務を担当していて、着氷試験や試験走行を行っています。着氷試験は1回に6時間ほどかかる長丁場です。準備や点検を含めるとかなりの時間になり、集中力が求められる仕事ですね。ちょっとした油断が大きな危険につながることもあるので、気が過酷な環境で走り続けるテストドライバーは、どのように健康を維持しているのでしょうか。実は、毎日の習慣にヒントがあります。テストドライバーとして働くようになったきっかけと、魅力についてお聞かせください。日々の業務についてお聞かせください。テストドライバーとして、健康のために日頃から心がけていることはありますか。組合員のみなさんにメッセージをお願いします。左 佐 々 木 さん 右 松 原 さん (敬称 略)士別フィンぐる歩くことも、良い気分転換になっています。松原 毎日、ランニングとストレッチを習慣にしています。ストレッチは20分ほどかけて行い、特に股関節を意識しています。もともと開 脚なんて全 然できなかったんですが、5〜6年かけてようやくできるようになりました。ランニングは、基本的に1人ではなくペアで会話しながら走るようにしています。これがとても良いリフレッシュになっています。また、士別ならではの話ですが、冬は雪かきがいい運動になります。時間があると、家の前だけでなく、屋根から落ちた雪の片付けまで、つい夢中になってやってしまうんです。汗だくになりますが、健康づくりにはもってこいだと思っています。佐々木 若いうちから運動の習慣をつけておかないと、年を重ねたときに膝や腰が痛くなって、なかなか体を動かすのが難しくなります。だからこそ、今のうちに、少しでも、たとえば1キロでも2キロでも、昼休みに走ってみるとか、軽く体を動かすだけでもいいと思うんです。そういう気持ちを持つことが大事かなと感じています。松原 僕もまったく同感です。最近の若い人たちは、汗をかくのがあまり好きじゃないのかなと思うこともありますが、実際にやってみると気分もスッキリするし、体もラクになります。無理のない範囲でいいので、日常の中に少しずつでも運動を取り入れてほしいですね。抜けないです。冬以外の時期は、イベントのサポートをしたり、以前は駆動系の耐久試験を担当したりしたこともあります。松原 車の走行性能(運動性)に関する先行開発を担当しています。これは、車が製品になる前の段階で、部品の構成や仕様を検討・改良する仕事です。車には何千、何万という部品がありますが、ひとつ変えるだけで走りが良くなることもあれば、逆にバランスを崩すこともある。そうした一つひとつを丁寧に検証し、最終的により良い走行性能につなげていくのが私の役割です。最近では、「士別フィン」という走行安定性を高めるパーツを開発しました。車の底面に貼るだけで、空気の 流 れ を 整 え、カーブや横 風でも安 定した走りを実現できます。佐々木 仕事ではタフさが求められるので、日頃から食事と運動に気をつけています。朝食は和食中心で、自分で味噌汁や焼き魚を作っています。シンプルですが、朝はしっかり食べて元気にスタートしたいんです。それに加えて、ちょっと自慢したいのが「自家製の野菜ジュース」。バナナをベースに、旬の果物や野菜をミックスしていて、最近はブルーベリーや黒豆にはまっています。運動については、昼休みに軽くランニングやストレッチをしています。整備所のフロアをぐるテストドライバーインタビュー
元のページ ../index.html#10