PoPo2025夏号
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と  8 PoPo健 康 推 進メ ンバーのみ な さ ん 語ってくれた方代表取締役社長楠 根 浩二 さん 弊社は企業理念に「やりがいと成長を実感できる、明るく元気の良い人を大切にした企業風土」を掲げ、この理念に基づいて企業活動を進めています。企業の成長と持続可能な発展の基盤は、そこで働く従業員であり、健康が確保されなければ経営は成り立たないと強く感じています。 現在、従業員数は60名で平均年齢が50歳と、高い専門性を誇る一方で、高齢化に伴う生活習慣病などの健康リスクもあります。高年齢層は健康に対する関心が高いものの、具体的な行動に結びついていないことが課題です。健康への意識を高め、行動に移してもらいたいと思い、健康経営に取り組みました。 事業所の方針として「安全・健康」を最優先に掲げており、この方針を基にあらゆる健康施策に取り組んでいます。毎月の安全会議では、産業医や保健師による健康講話を実施しています。従業員の健診後に所見が見受けられた方には個別で産業医や保健師との面談を実施しています。 また、がん検診では採血とX線を検査項目に加えています。インフルエンザ予防接種においては、従業員だけでなく場内協力会社の希望者にも提供しています。これらは他ではあまり見られない特徴的な取り組みだと思っています。 運動習慣の向上と定着については、24年度に事業所として初めてウォーキングイベントを開催しました。このイベントは、スマホアプリを活用し、誰でも気軽に参加できる形式です。初めての開催にも関わらず、参加率は67%と高く、楽しみながら健康や運動習慣への意識を高めることができました。また、イベント前の運動習慣有りが27%だったのに対し、イベント後には44%に向上し、その大きな変化に驚いています。 スマホの登録が苦手という人が多かったため、個別にしっかりサポートしました。「うまくできない」という人もいましたが、面倒を見ながら手厚くフォローしました。少し手間はかかメッセージを送って参加意識を高めたり、イベント途中に賞品さらに今後、どのように健康意識を高めていきたいですか。今後の健康づくりに関して、どんなビジョンをお持ちですか。るんですが、その地道な活動が大きなポイントではないでしょうか。 さらに、イベント開始前には「これから始まりますよ!」とを増やしたり。またランク外の人にも「頑張って!」と応援メッセージを送るなど、地道にフォローしました。 60人ほどの小さな規模なので、従業員同士の距離が近く、「やろうよ!」と声をかけると、みんな素直に参加してくれるのが良かったですね。 また、アプリのリアルタイム更新機能も大きなポイントでした。例えば、30分前には「10位以内」に入っていたのに、急に圏外になったり、寝る前に「ちょっとだけ頑張ろう!」と歩き回る従業員もいたり(笑)。競争心を刺激する仕組みが、みんなのやる気を引き出してくれたのかなと思います。 定期健康診断において重要なのは、結果を今後の健康管理にどう活かすかです。過去に、健康診断で指摘されたものの医療機関を受診せずに重症化してしまったケースがありました。自分の身体は自分が一番よくわかっていますが、従業員の健康意識を高める、その意識を実際の行動に結びつけることが大きな課題だと考えています。 多くの人は、病気になって初めて健康の大切さに気づきます。逆に言えば、普段元気に過ごしていると、健康を意識することは少ないのが現実です。だからこそ、健康の重要性を何度も何度も繰り返し伝え続けることが重要だと思っています。 現在、日本では高齢化が進んでおり、健康寿命を延ばすことが豊かな生活を送るためにはとても大切です。 事業所として、健康に関する知識と意識を高める施策を積み重ね、みんながいきいきと働ける心と身体を維持できるようサポートしていきたいと考えています。そのためには、一人ひとりに自らの健康に自覚と責任を持っていただく。この双方がかみ合う風土づくりを目指していきたいと思っています。健康経営への関心は、どのようなきっかけで高まったのでしょうか。具体的な取り組みをお聞かせください。参加率が高かった理由と運動習慣が改善したポイントをお聞かせください。風通しの良い職場から生まれる健康への輪トヨタリック九州株式会社福岡県宮若市 従業員数60名

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